日本経団連では2004 年4 月に「外国人受け入れ問題に関する提言」を発表し、外国 人が有する多様な価値観や経験・ノウハウを活かすことで、国民一人ひとりの「付加 価値創造力」を高めていく、多文化共生をベースにした経済社会づくりを提唱した。

同提言では、
@質と量の両面におけるコントロール
A外国人材に対する人権の尊重と差別の禁止
B受入国、送出し国双方にとってのメリットの確保
を外国人材を受入れるための三原則として掲げつつ、専門的・技術的分野ならびに将 来的に労働力不足が見込まれる分野における外国人材の受入の円滑化、外国人研修・ 技能実習制度の改善、外国人の生活環境の整備等についての具体策を総合的に提案 した。

その後、政府・政党において外国人材受入に係る議論が活発化しているほか、アジ ア諸国との経済連携協定(EPA)交渉等を通じて看護師・介護士の受入が決定するなど 新たな動きがみられる。そこで今般、再度取りまとめた産業界のニーズを踏まえつつ、 政府・地域社会が特に重点的に取組むべき課題ならびに外国人材を受入れている企 業のコンプライアンス体制強化について、下記の通り提言する。

多様な価値観・発想力による組織の活性化、国際競争力の強化の観点から、わが国 の多くの企業にとって、グローバルな人材マーケットから優秀な人材を獲得するこ とが急務となっている。

日本経団連が2003 年10 月と2006 年12 月に関係者に対し て行ったアンケート調査では、IT、先端研究開発部門、グローバルな商品開発、海外事 業展開等に際しては、外国人材が不可欠であるとの結果を得ている。

また、職種によっては労働需給のミスマッチの懸念が高まりつつある。例えば、看 護・介護、農業等、さらには製造業、建設業、機械組立等に係る技能者については、将来 的に慢性的な人手不足が予想されている。労働需給のミスマッチは、若年者、女性、高 齢者等の雇用を通じて解消することが重要であるが、求人募集をしても応募者がな い場合も多く、外国人材をも含めた人材の確保が考慮されてよい状況が生じている。

このように、わが国は外国人材を必要としており、規制改革等を通じて外国人材の 受入をさらに推進していくことが不可欠である。その前提として、1990 年の「出入国 管理及び難民認定法」改正以来、日系ブラジル人を中心にいわゆる「ニューカマー」が 多数入国し在留・就労している実態を踏まえ、在留管理・就労管理を徹底するなどの 対応が求められる。

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